MATAGIプロジェクトについて

野生のシカやイノシシが田畑を荒らす獣害被害の対策として全国各地で広まりつつあるMATAGIプロジェクト(※1)は、獲ったシカやイノシシの獣皮を廃棄せずに有効資源化して産地へ還すことで、地域活性に繋げる事業です。

MATAGIプロジェクトWEBページ

MATAGIプロジェクトについて

鹿によって新芽が食べられた畑鹿によって新芽が食べられた畑

捕獲されたイノシシ捕獲されたイノシシ

プロジェクトのネーミングの元にもなっている「マタギ」とは、東北地方・北海道で狩猟を生業として、
木こりや炭焼きなど山の自然と寄り添う暮らしを営んできた人々のことを言います。

昔ながらの里山は、いわば、獣が暮らす自然と人間が暮らしのために整えた自然との境界線にありました。
それはあいまいながらも確固とした境目でした。人間の暮らしががらりと変わった現代においては、
農村の高齢化と不耕起地の増加に伴いその共生関係が崩れ、鳥獣被害として主に農村から報告される内容は深刻になっています。

近年のこうした被害に対し、国も予算をかけて取り組みを始めました。平成26年には鳥獣被害対策支援事業を正式に交付。
近年の害獣(主にシカ、イノシシ)の積極的な食肉利用は新しい資源活用と言えます。
食肉同様に「産地でとれた皮を鞣し、産地に革として返す」取り組みには、いっさいの資源を無駄にしないという
“地産地消”の狙いがあるのはもちろんのこと、この仕組みを継続することで各拠点に雇用を生み出すというメリットがあります。

MATAGIプロジェクトでは、排出皮(イノシシ・シカ)の有効資源化をサポートしています。支援をご希望の際は、以下をダウンロードし、ご記入の上、ご連絡ください。

【排出皮(イノシシ・シカ)の有効資源化支援希望のための事前アンケート

1枚の革の試作のお申し込みは、以下も合わせてご提出ください。

【試作革加工申込書】

◎伝えたいことanimals

「取り組みが始まった本当の理由」
「そもそも、獣害駆除をするほどに動物が増えてしまったのはなぜ?」
そう思う方もいるかもしれません。

農耕が始まって以来、人は自然に対して畏敬の念を持ちながら、生産活動ができるように自然に手を加えて暮らしてきました。
ムラ、ノラ、ヤマがそれです。なかでもヤマは「里山」とも呼ばれ、人の営みに欠かせない場であると同時に、このラインこそ自然(動物)との境界線だったのです。人と動物(自然)は共生しながら生きてきました。
自然の恵みを分け合いながら暮らしていたときには、図のような世界が成り立っていました。



農村の生活空間

農村の生活空間

ムラ
人が暮らす場(集落)
ノラ
開墾し農作物を育てる場(耕地)
ヤマ
薪や炭焼きのための木材を得たり、山菜や茸、川魚をとる場
オクヤマ
動物が暮らす手つかずの自然


20世紀に入ると、人間のライフスタイルに変化がおきます。
近代化による農村の過疎化が進み、人の手が入らなくなったヤマ(里山)は放置され、森林化しました。
そうして、人間が暮らす地域と動物たちの活動区域をゆるやかに区切っていた境界線が消えてしまったのです。
人間と野生の動物との距離は、こうして近くなってしまいました。

地球温暖化による天候不順などで山の食料が減ると、動物たちはおのずと食べ物を求めて人間の暮らす場所へ下りてきます。
あるいは、人間が山を開発してゴルフ場などの娯楽施設を造ったり、植林化によって針葉樹を増林することで森の生態系に変化を生じさせることで、余計に動物たちのえさ場を減少させていることも事実です。

わたしたち人間のライフスタイルの変化にともなって(※2)、人間と動物たちとの関係は崩れてしまいました。
すべてを昔に戻すことはできませんが、増えてしまった命の責任を取り、
シカやイノシシたちが静かに暮らせる森づくり=里山保全を進めることが急務です。

急斜面に広がる蒟蒻畑急斜面に広がるのは蒟蒻畑。人間の作る作物のおいしさを覚えて、山から下りてくる動物も多い

◎動物たちの命をまるごと活用する

レザー・サーカスは、産地でとれた皮(※3)を余すことなく有効活用するという目的でネットワーク作りのお手伝いを行っていきます。
革製品として売買されるものを生み出すだけではなく、たとえば、産地に戻した革を使ってワークショップを行うなど自然教育の一環として役立てていただくことも可能です。みなさまひとりひとりが、レザー・サーカスの革(皮)を通し、自然保全への理解を深めることはもちろん、物語性のある製品を生み出すことができるのです。
※2016年2月4日に「獣皮活用宣言」を行いました。